◆新任理事の所信表明

◇山﨑理事

 JSHRMとのご縁は2004年ごろ、アドバンス講座がきっかけでした。インサイト編集員を数年行い、この10年ほどはリサーチプロジェクト担当執行役員でしたが、今年黒澤さんと新旧交代を致しました。

 今後力点を置きたいと思っているのが、1つめに海外とJSHRM とのインターフェイスです。私の仕事の1つにJICAプロジェクトがあり、この10数年間はアジア諸国の経営者に人的資源管理の実務指導をしております。各国の人事関係者とのネットワークもあるため、そうした経験も活かしてJSHRMがメンバーになっているAPFHRM(アジア太平洋人材マネジメント連盟)との連携を強めたいと考えています。

 2つめが、アカデミックと実践のブリッジです。昨年3月に神戸大学で経営学の博士号を修得しました。日本では理論と実務が異なるという方は多いですが、海外ではPh.D.ホルダーの人事マネージャーが多いのです。理論を実務に引き寄せて考える習慣が日本にないのはもったいないことですので、グローバル競争時代の日本の人事の発展のためにも、ここに何らかの貢献ができればと考えます。

 私が強く感じている危機感は、日本のグローバル社会でのポジショニングの低下です。1年の3分の1をアジア諸国で過ごしていると、日本が彼らに追い越される日が近いという実感があるので、日本の人事から日本の再生を支えられたら、という大志がある訳です。

また、JSHRM自身も、正直なところ外部環境の変化に若干鈍くなっていたかもしれません。20周年を機に、JSHRMが提供できる価値が何かを見直すことに貢献出来ればと考えています。

◇堤理事

 この度は青天の霹靂ながら、理事就任の打診を頂戴し、何かお役に立てるのならばとお受けしました。

 JSHRMには2012年、同僚であった酒井さんのお誘いで参加しました。ほどなくリサーチプロジェクトに参加させていただいて、今日参加されている山崎さん、今野先生、松浦さん、西岡さん、泉田さん、黒澤さんらと2年ほどご一緒させていただきました。APFHRMの方々をお招きしてのシンポジウムなど、貴重な経験もさせていただきました。

 2015年からは4年間、年次コンファレンスを担当させていただき、同じく今日ご参加の方の何人かにも大変お世話になりました。2019年には現ご担当の高橋基樹さんにバトンタッチし、“浪人”をしておりました。

 私は、外資系IT会社、日本の上場会社の子会社、学校法人の職員、そして今は、もともとは日本の会社ながら外国の販売会社を買収して傘下に収めた持株会社での人事総務、と、様々な環境で人事に携わってきました。従って、山崎さんのように学際で何かを極めているわけでも、また倉重さんのように法制に精通しているわけでもないですが、お二人が見ていない世界も多少はわかるのかな、と思います。

 今後のJSHRMの活動においては、山崎さんがお話しになった海外の団体との交流強化にも多少はお役に立てるかなと思っておりますが、もう一つ、特に次世代の人事の方々の支援もできればと思っています。

 私自身、若いころには他社の人事の方との交流や、生産性本部などが主催する研究会への参加などで人事のスキルを研鑽してきましたが、最近、若い人事の方が余り外に出てきていないのでは?と感じます。その必要がないのかもしれませんが、中には交流を望む人・知見を広げたい人もいると思います。そういう方々にとっての機会提供の場として、特に我々は商売としての活動ではなくNPOとして、そういった方々の役に立ち、ひいては世間に対する価値を提供できるようになっていければ良いと感じております。

 これから他の理事の方々との議論も踏まえて、できることを行っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

◇倉重理事

 これまでのJSHRMは時代の変化と共にその役割を終えており、今回、新体制の理事会をスタートするにあたって、その役割を再定義する必要があると考えます。

当協会の現代的な意味での役割について、私としては、(1)国際交流、(2)人事プロとしての意見発信、(3)迷える人事の駆け込み寺、の3点があるかと思います。

 例えば(2)について言えば、あるべき労働法制や新時代の雇用社会のあり方についてJSHRMとして意見発信していくことが考えられます。人事プロの集団であるJSHRMだからこそできることがあるはずです。法改正や判例などについても、一会員の意見ではなく、多くの人事パーソンの意見を踏まえた見解を出すことにより、プロフェッショナル団体としての存在意義が見出せるでしょう。

 また、既にある会員資産を生かすべく雇用にまつわる様々な対談を会員同士、あるいは会員と人事界隈の著名人と行うことも検討できるかと思います。対談といったカジュアルな形での意見発信は、社会一般にも受け入れが容易であり、さらに内容によっては行政などに対する提言にもなると思います。もちろん、協会会員のプロ能力のブラッシュアップにもつながってゆくと思います。理事が持ち回りで誰か会員をチョイスして対談を行い、対談は公開してウェビナー的に行い、その後、文字起こしして記事化するという使い方をすれば、多元的な意見発信もでき、協会の知的資産も蓄積されてゆきます。

 また、会員相互の交流を促進するためにFBグループを作成し、容易に意見交換が可能な体制を構築するなど、SNSなどのITを活用していくことは、コロナ禍における会員活動のあり方として必須だと考えます。