JSHRMコンファレンスは、人事担当者の交流の機会としてJSHRM会員並びに非会員の方々との「繋がり」を促す場の大会です。本年度の大会は 2017年10月28日(土)13 時より、東京ユビキタス協創広場CANVAS(内田洋行新川本社)にて開催され、テーマは「『働き方改革』を説く? 解く!」。
 ホットイシューである働き方改革について、処遇の改善・制約の克服・キャリアの構築の3つの観点から個々に紐解き、会員同士で議論を深めました。

 2016年9月、安倍内閣に「働き方改革実現会議」という諮問機関が設置されて1年が経ちました。その間、大手広告代理店社員の自殺や大手宅配便会社の労務管理問題など、主に労働時間に焦点が当たった事件が噴出しました。今回のコンファレンスは、長時間労働といった法令順守だけでなく、ビジネスの売上と社員労働時間のトレードオフ問題、キャリアといったイシューを元に、人事労務の実務家・関係者同士によるテーマの意見交換・交流の『場』となりました。


 コンファレンスは 4部構成で実施され、初めに中央大学大学院戦略研究科教授佐藤博樹氏による「残業削減から働き方改革へ:メリハリワークで平日のゆとりを」と題した基調講演が行なわれました。「働き方改革」は、労働基準法への対処という狭い考え方だけではなく、多様な人材を活かし、企業が安易な依存体質に頼らないようにマネジメントを転換することであるとされました。また、働き方改革のポイントとして、企業側が仕事総量を所与とするのではなく時間資源総量を所与と考える時間マネジメントへの転換、社員側が仕事以外の生活を大事にする生活改革の必要性を挙げられました。


 続いて厚生労働省労働基準局賃金課長武田康佑氏からは、内閣官房に推進室を設置した際の首相コメントで強調された「非正規労働者の処遇改善へ向けた同一労働同一賃金」など、働き方改革の実現に向けた行政の取り組みについてそのルーツに関し丁寧に解説いただきました。お二方とも短時間の講演となりましたが、「働き方改革」というバズワード(意味が曖昧な用語)である言葉の定義や行政の対応を再確認でき、会場の皆様も関心をもって聴いている様子でした。


 第 2 部では、1部を受けて「働き方改革」を様々な観点から紐解くべく、当協会執行役員の倉重公太郎氏から「処遇の改善」、コニカミノルタジャパン株式会社人財開発部長酒井之子氏からは「制約の克服」、ノキアソリューションズ&ネットワーク株式会社人事部長佐藤千佳氏からは「キャリアの構築」の視点から、それぞれ問題提起いただきました。


 第 3 部は、第 2 部のテーマ毎にグループセッションを実施。関心ある参加者と講師との白熱した意見交換をしました。本年のホットイシューとあって、参加者からの積極的な発言が多く、人事制度・評価、人材ポートフォリオ、女性のガラスの天井問題など、近年の人的資源管理のテーマを包摂した深い議論となりました。


 第 4 部では、当協会常任役員野村和宏氏から大会総括コメントがあり、懇親会へ移行。大部分の方々が懇親会に出席され、少々のアルコールと軽食で、第 3 部のさらなる議論や意見交換、ネットワーキングを深める時間となり、昨年に増して盛り上がった大会となりました。


取材・文:葛西 達哉(Insights編集部員)



これより先のページは会員限定のページとなっています。
事務局より発行されました「ユーザー名とパスワード」にてログインください。

既存ユーザのログイン