今号(2017年度冬号)特集は、『激変?パラダイムシフトは生じるのか!これからの雇用と働き方』です。成熟した経済・社会における産業構造の変化、人口減少社会における働き方の変化、AIを中心としたテクノロジーによるライフスタイルの変化等々、わたしたちの働く環境や生き方は急速に変化していきます。その中で次世代を担う人材のキャリアはどうなるのでしょうか?適職探しに迷走する若者、将来不安に揺れるミドル、自らの経験を活かし自分らしさを発揮できる職場を求めるシニアの思いや葛藤とは。

 共通して言えることは、これまでとは異なる世界観や価値観が拡がっていくということ、つまりパラダイムシフト(発想の転換)が生じているということです。リンダ・グラットン、アンドリュー・スコットの『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』が注目されたように、私たちのキャリア(ワークキャリアとライフキャリア)にもパラダイムシフト(発想の転換)が要求されています。来たるべき未来(人口の1/3が65歳以上となる2030年)の雇用・労働在り方について再考するタイミングではないでしょうか。

 しかしながら皆さんが所属する組織やクライエントの雇用・労働環境はいかがでしょうか?同志社大学の太田 肇先生は、環境変化に対応できない多くの日本企業に対して、「グローバル化社会においては、世界がシステムとして連動し、相互に作用し合う場面が増加している。そうなると“ちゃんとする”こと、つまり日本人の特徴である限られた範囲で完璧を追求し続ける姿勢が、無駄や非効率を生んでしまう状況が生じている」と指摘されています。昨今話題になったモンスター顧客に対する過剰サービス問題。マイクロマネジメントという職場レベルでの無用な完璧主義。集団圧力(同調圧力)が強すぎることによる膨大な時間と労力が浪費される会議や稟議制度。バブル世代を中心に長期間雇用保蔵され、モチベーション低下が懸念される中間管理職。これらの課題に対して、これまでのような対応しているフリ(“なんちゃって対応”)では立ち行かなくなっています。2030年に向け、もう一度真剣に取り組む絶好の機会が今(現在)なのかもしれません。人事部門に期待される役割はさらに大きなものになるでしょう。

岡田 英之

JSHRM 執行役員
Insights編集長 岡田 英之



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