話題の本や特集に関連した本など、人事マネジメントに携わる編集部員が選んだ本の読書感想コーナーです。
今回は、2017年のベストセラーであり、本年5月に続編が出版された『未来の年表』の第1弾を復習します。

BOOK DATA

【タイトル】未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
【著者】河合雅司
【出版社】講談社現代新書
【発売日】2017年6月14日出版

『未来の年表』

 日本が少子高齢化社会であることは「常識」であり、2015年の国勢調査では人口減少が確認されている。それらが社会に及ぼす影響や危機について、国立社会保障・人口問題研究所の最新データをふんだんに使ってとても具体的に解説した本書。その人口推計では、およそ80年後には日本の人口は半減し、国家が成り立たなくなるという衝撃的な提示をしている。

 「人口減少カレンダー」と題した第1部では、2017年から2065年までに起こる現象をデータに基づいて解説。2020年女性の2人に1人が50歳以上となり出産できる女性が激減、2021年介護離職が大量発生、2026年認知症患者が700万人規模になり「認認介護」が増加、2033年住宅の3戸に1戸が空き家に、2040年自治体の半数が消滅の危機、2065年以降外国人が日本を占拠など、データに裏付けされた日本の未来は、どれも目を覆いたくなることばかり。テクノロジーの発展や世界環境の変化などによって誤差はあるだろうとは思うものの、労働力不足の切り札であるAIの進化の前にIT人材が不足し開発も停滞するといい、この現実は「静かなる有事」で「国防に直結する危機」だということは納得せざるを得ず、人生100年時代、長生きしない方が幸せかも知れないとさえ思ってしまう。

 第2部では「日本を救う10の処方箋」と題し、それらの問題の解決策を提示。「小さくとも輝く国になる」ための大胆な方策は、第1部で希望をなくした読者の一縷の望みとなる。どれも効果的ですぐに着手できそうな気がするが、全て国家全体としての対応策で、これらの大問題に対して個々人や一企業が何をすべきか、何ができるのかという疑問にはこたえていない。続編『未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること』では、人口減少が生活に与える影響を解説しているとのことなので、衝撃を忘れてしまう前に読んでおこうと思う。

文:土田 真樹子(Insights編集部員)