JSHRM会員の誌面交流の場として、会員の方から寄せられた自己紹介や日ごろ考えていること、問題・課題意識などをご紹介します。

HPOクリエーション株式会社 松井 義治 氏

ゲスト:HPOクリエーション株式会社 松井 義治 氏


 私が人材&組織開発コンサルタントの道を決めたのは、前職2社目プロクター・アンド・ギャンブル社(P&G)で、人事統括本部のOE(オーガニゼーション・エクセレンス=組織開発)業務に携わったときです。

 MBA出身であったこともあり、1社目のヴイックスに入社以来、マーケティング部で初年度から製品を任せられ、商品コンセプト作り、製品開発、宣伝広告とプロモーションによるブランド構築とビジネス強化の仕事は、ノンストップのダイナミックで楽しくやりがいの多い仕事でした。M&AでP&Gの宣伝本部に移ってからも、消費者や販売の現場を調べ、広告を最大限に活用し、開発部門、営業部門、生産部門、財務部門の同僚と協働して市場シェアを伸ばすことは本当に醍醐味のあるものでした。そして、宣伝本部時代の以前の上司が人事に異動した翌年に、私をトレーニングマネージャーとして人事に引き抜いてくれたおかげで人と組織の開発で会社を成長させる喜びを覚えることができました。

 人事部への異動後、初年度は英語及び異文化間コミュニケーションプログラムの刷新、外部教育会社による研修をほとんど全て内製化(参加者増加・質の維持・コスト削減)、社員意識調査の導入と調査結果から全社的なワークライフバランス改善プロジェクトの立ち上げと実行(満足度向上)、2年目はマネージャー研修の強化、P&Gカレッジ(企業大学)導入、3年目は阪神大震災で神戸本社ビルが使えなくなり、震災スペシャルプロジェクトのリーダーとして大阪の仮本社立ち上げと社員サポートに没頭、神戸に戻ってからはP&Gカレッジの再開発、と多くの達成感を味わいました。

 その後OEも担当することとなり、組織開発の基本理論と原則、戦略開発や業務プロセス変革など数々の実践方法やツールを学びました。96年~98年は人事部長としてP&G台湾に赴任(エンゲージメントと業務プロセスの強化)、その後、北東アジアのリクルーティング・トレーニング & OE(組織卓越)部門のリーダーとなり、いくつかの事業部の経営陣チームのアドバイザー兼ファシリテーターとなり、ビジョン展開、戦略開発や業務プロセス変革、商品コンセプト作成など数々のビジネス貢献の機会にめぐり合えました。この時、ハイパフォーマンス組織(HPO)推進プロジェクト(=自ら成長し続ける高業績組織のしくみの構築)に携わり、「HPO創造の支援をするのが自分の天職」だと確信しました。

 すべての経験がやりがいのあるものでしたが、特に楽しかったのは全世界共通のP&Gカレッジの再開発です。元々あったP&Gカレッジに新任マネージャー向けプログラムがなく、米国本社に開発を依頼しましたが却下され、日本で独自に作って導入を始めました。翌年、本社から新任マネージャー向けプログラムの開発と共に、それ以外の上層部向けのプログラムも再開発するので、開発チームに入るよう依頼が来て、10名ほどのクロスファンクションチームで協力し、4カ月ほどで完成させ、米国本社から導入を開始しました。本社のトレーニングディレクターからメールが来て、「お前の作ったプログラムを今開催中だが、参加者が喜々として取り組んでいるので、本当に見せたい…」とあり、大喜びしました。が、それ以上に楽しかったのは、北東アジアOEリーダーをしているときの役割の一部、紙製品事業部のHRBPの仕事です。事業部ディレクターに信頼され、経営会議のファシリテーション、ミッション浸透、業務プロセスと業務効率の向上、販売予測プロセスの強化など、数多くの組織力強化を支援できたことは忘れ難い喜びです。

 現在は大手外資系企業を中心に、組織力とエンゲージメントの強化を支援しています。目標は、外部コンサルタントの支援がなくても自ら成長し、元気に成果を高め続ける組織を創ることです。仕事の4割は組織変革や経営陣チームの強化、3割はグローバル・リーダーシップ開発、残り3割は営業力強化とグローバルビジネススキル強化を行っています。特にやりがいを覚えるのはAPACの変革プロジェクトです。プロジェクトの成果を現場の変化とアセスメントで確認できることは本当に楽しいものです。組織文化を変えなければ成果は変わりません。文化を変えるには、制度や研修だけでなく、業務プロセスなどいくつかのしくみの変革が不可欠です。

 プロ魂と組織 & 人材開発能力は1950年代からODを行っているP&Gで習得しました。独立後、能力強化のために行ってきたことは、米国で組織変革の博士号取得、米国チェンジマネジメント協会の変革プラクティショナー、マスターコーチや数々のアセスメントの資格の取得、欧米のSHRM、ATD、ODネットワークの年次大会への参加とHRとODの権威者とのネットワーキングなどです。この数年、特に注力しているのは脳科学とマインドフルネス・プログラムで、変革プログラムに活用しています。テンプル大学でリーダーシップと組織変革を教えていますが、教えることも自分の成長につながっています。

 人生終了まで現役を続け、余暇の充実と共に、学びと成長を続けたいと思っています。
(まついよしはる)