JSHRM会員の誌面交流の場として、会員の方から寄せられた自己紹介や日ごろ考えていること、問題・課題意識などをご紹介します。

久禮経営労務管理事務所 久禮 和彦 氏

ゲスト:久禮経営労務管理事務所 久禮 和彦 氏


 近年、大きく感じる2つのことがある。

 1つは、人事制度への政治の影響と2つ目は個人化である。

 過去、男性中心の企業社会は大きな繁栄をもたらし、国民生活の向上に寄与した。その陰にある負の問題も包含し、全体良しの感覚に「いいね」と酔いしれた。

 その後の厳しい経済状況で雇用環境は、少子高齢化社会のなかで潜在的課題としていた障害者雇用、高齢者雇用、がん患者等の就業支援、女性の活躍拡大、派遣労働者対策等が顕在化した。

 さらに外国人雇用と社会保障費増大の影響が健康経営や高齢者の雇用義務を導入し、消費の拡大を目論んだ経済成長戦略に影響され政治による人事・労務管理への影響が増えているように感じる。もちろん今までも国の労働経済状況の中では当然に関係してきたが、とりわけ国際間政治の動向が影響を増幅している。
改めて、経済人として政治に関心を持つことの大切さを身に着けたい。

 2つ目の個人化では、1番目の課題に起因し所得格差の拡大対策がある。

 「働き方改革」が叫ばれているが、ダブルワークや最低賃金の全国一律化、外国人技能実習生対策及び在職老齢年金の減額廃止等従来の定説を外れた新たなテーマが出てきた。特に時間にとらわれない働き方への取り組みは重要だと考える。

 それぞれよく考えると一理あると考えられるが、もはや、個人別の生活事情と生き甲斐を中心にボトムアップの発想で組織社会を考えなければならないのか。減少する労働力人口では個々の要求を満たさなければ成り立たなくなってきた。

 規則で統制することから、自らが目標とする尺度を設定し努力するソフトロー的な規範重視の発想が豊かさを実現させるのではないか。明治維新の「勤勉努力」や「誠実にたわみなく進め」を改めて認識したい。

 ハラスメントの多発が「自分の価値観だけではない」「人間関係は対等である」人権意識の再認識により、個人の交流が重要になってきた。「異業種交流」は「同業種交流」「同職種交流」に進展し、JSHRM労働法研究会はまさに「同職種交流」により各人の価値増大が確実に認められた。

 JSHRM加入により多くの課題に接し、同類項のメンバーが集まって労働法研究会を推進できたことは個人としても企業人としても財産になった。

 個人化への対処は、画一的な勉強会ではなく、経験を発信し合うことによる新たな学習効果が大である。JSHRMは自らの付加価値増大に寄与する同類項なる人材の宝の山である。