
11月8日、熱気に包まれる中、「JSHRMカンファレンス2025」が無事開催されました。ゲスト3人の講演とパネルディスカッションで発信されたキーワードから、「未来×関係性× AI ×ストーリー」の掛け合わせにより生み出される“未来をつくる採用”が見えてきました。
(現地参加者:67名 オンライン参加者:24名 参加者計:91名)
労働はロングテール型へ移行
辞めない理由の分析

労働力の供給が需要に対し不足している状態=「労働供給制約」が本格的に到来する時代を前に、日本の労働社会が「スーパーマン的な社員」に依存する構造から、短時間勤務を含む“小さく働く多数”が支えるロングテール型へ移行していると指摘した。特に女性・シニアの就業率を高めるには、家事・育児・介護の外部化が不可欠であると強調。また、企業が注目すべきなのは退職理由ではなく、多様な「辞めない理由」の把握であるとした。
採用は関係性と“企業の未来”への合意で決まる。
AIで面接・評価を標準化し、人事は関係構築に集中

DXの本質は工数削減ではなく価値の創出であり、採用も同様に「どんな価値を生み出す人を採用するか」が重要だと述べた。現代の人事の役割は制度設計を中心とする業務から関係性中心へとシフトしており、内定承諾率の最大要因は担当者と候補者の信頼関係だと指摘した。企業は「今」ではなく「未来」を語るブランディングが必要であり、AI活用により面接の標準化は可能で、人事は関係構築に集中すべきとした。
リファラル・ダイレクトスカウトを戦略的に強化
若者には動画とストーリーテリングで魅力を伝えることも

現在の採用環境は「戦えば採れる」競争戦に突入している。リファラル採用やダイレクトリクルーティング等を本気で運用する企業が勝つと述べた。人事は経営と強く連動し、CHRO的役割を果たすことが求められると指摘。また、AI面接の普及によって評価の公平性と効率化が進んでおり、人事は応募喚起(アトラクト)に注力し、ストーリーテリングによって候補者の未来と企業の成長を重ね合わせる戦略が有効だとした。
グループディスカッション・各研究会“議論を象徴するコアフレーズ”

新卒・キャリア採用研究会
採用ブランディング・採用広報、KPIの設定をどう行う?
WWN研究会
採用業務、企画から選考、その先へ AIではなく人が関わるところはどこだ!
アカデミア・プラクティス研究会
新人を育てられる上司へ配属を。現場部門が採用の責任を持つ環境が重要に!
雇用システム研究会
ジョブディスクリプションがあっても、採用の視点ではクリアにできていないのでは?
オンライングループ
キャリア関係、入社後の活躍をどう捉えるか。採用と育成がバトルを繰り広げるという意見も。
カンファレンス全体から導かれる示唆は…

- 採用・人事の中心は「制度」ではなく「関係性」へ移行している。
- 若者が求めるのはリアルでストーリー性のある情報。
- AIによる選考標準化は可能か エントリーシートや属人的面接の価値が低下する中、必須に。
- 企業は“辞めない理由”と“未来への合意”を基点にエンゲージメントを設計すべき。
- リファラル、ダイレクトスカウトを軸に 求められる全社あげての戦略的採用。
皆さんは何を持ち帰ったでしょうか。
報告:本田 洋子(JSHRM会員)
