
2025年6月14日、日本人材マネジメント協会(JSHRM)は、日本生産性本部セミナー室にて設立25周年記念会員大会を開催しました。会場には48名が、オンラインは21名が参加し、来賓として日本生産性本部の鷲北様、中央職業能力開発協会の佐藤様、日本能率協会の三上様、ATDメンバーネットワークジャパン代表の野原様にお越しいただきました。

冒頭、開会の挨拶とともに山﨑理事長から、3層のビジョン「そうだ、JSHRMにきいてみよう:日本の人事界のオピニオンリーダーとして国内外社会から必要とされる存在」、「迷ったらJSHRMに行こう:未来のプロフェッショナルにとっての駆け込み寺となる人事のプロの育成機関」、「JSHRMだからできる:人事のプロたちが組織の枠を超えて繋がりあい、それぞれの志を実現したり、新しい価値を創造したりできる、可能性無限大のコミュニティ」が紹介され、現在4層目として「JSHRMなら見つかる:人事のプロフェッショナルとしてのスキルを可視化し、人材と企業を繋ぐ、人事のプロの労働市場機能」が検討されている旨発表されました。

次に、設立初期から当協会に携わってきた中島会長より日本経済と人事制度の変遷、グローバル化が進み人事のプロの育成が必要とされる中、JSHRMが取り組んできたこととして、基礎講座による人材育成、シニア層活躍に資する研究(中央職業能力開発協会のキャリア・シフトチェンジのためのワークショップの端緒となったリサーチプロジェクト)、幅広い領域を網羅する自主研究会等、協会のこれまでの活動が紹介されました。

続いて、これからの協会活動に関し次の3つが特筆事項として紹介されました。

HRMナレッジ大系(説明者:山﨑理事長)
人事のプロフェッショナルに求められる知識を体系化したもので、全体構造を示す「HRMナレッジ大系」、具体的職域と関連知識・理論との位置づけを表す「HRMナレッジ・マップ」、ナレッジ・マップ項目を下次元に分類し、学習テーマ例まで記述した「HRMナレッジ・ディクショナリー」の3つから構成されていること、2022年より「人事の地図」誌上に解説記事を連載し、今般、それらを纏めた書籍を出版予定であることが紹介されました。

未来型CHROプロジェクト(説明者:岡本執行役員)
従来型人事責任者と未来型CHROの役割の違いや同一人物による両立の難しさが説明されるとともに、CHRO育成に関しては、求められる特性や育成の難しさ・同一企業内での育成の限界を踏まえ、非営利団体ならではのやり方でCHRO育成機会を提供すべく、その方法を模索していきたい旨発表がありました。
グローバル活動の展開(説明者:松下理事)
JSHRMのビジビリティをアジアパシフィック(AP)や世界に対して高める、APや世界のHRMに関する情報をJSHRM会員や国内HRプロフェッショナルに共有するという2方向の活動とする旨説明がありました。
また、APFHRMメンバーを対象に行ったJapanese Talent Managementセミナーの様子を表す動画が紹介されました。
直近、各会員にしていただきたいこととして、2025年度下半期に世界人事協会連盟とBCGが実施するHRMグローバル調査への協力が要望されました。
協会の「これまで」と「これから」を紹介後、参加者全員が「JSHRMでやりたいこと、JSHRMに期待すること」を小グループに分かれて討議しました。縦軸(やりたいこと/困り事や悩み)と横軸(遠大なテーマ/身近なテーマ)により4象限を構成し、各グループはその何れかに属し、該当する切り口から討議を進めていきました。「信頼感と親しみやすさの両面を打ち出したPR」、「人事の地位の向上」、「日本の伝統・東洋的思想に根差したHRを考えていく」、「組織設計についても学びたい」、「オンボーディング・定着について学びたい」、「人事職のスキル向上の道筋についての提言」、「人事と現場の距離を縮めていく」、「領域トレンド・変化状況の発信」、「偶発的な出会いをもたらす場」、「研究会のアウトプットを届ける」、「ATD/JSHRM研究会活動の持ち寄り」、「政策提言」等々、様々な討議内容が発表されました。
最後に、学習院大学名誉教授 今野 浩一郎先生より、協会活動の心構えとして、1.人事実務家が主役(研究者は支援)、2.外に発信していく(内部議論のみに終始しない)、3.能動的に活動する(会費を払って汗をかく)の3点のアドバイス、ならびに先人が日本型人事管理を生み出したことへ尊敬の念を持ちながら、新しいものを作り、発信していくことへの期待の言葉をいただき、3時間にわたる設立25周年記念会員大会を締め括りました。
閉会後は懇親会が開催され、砕けた雰囲気の中、会員同士の懇親が深められました。
(文:JSHRM執行役員 島田敬一郎)


会員大会に寄せてコメントをいただきました。

中島 豊
25周年記念会員大会のご盛況おめでとうございました。設立後四半世紀の節目を迎え、往時とは参加メンバーや活動内容も多様になり格段の進歩を遂げたJSHRMの頼もしい姿を見て、心を揺さぶられるものがありました。これを一つの経過点とはせず、今後さらに25年、50年、100年と持続的に活動を発展させていただきたいと願っております。

元副理事長
今野浩一郎
世界から尊敬され、世界に誇れる「明日の人材マネジメント」を創りたい。そのためには、実務で苦労するプロたちが知恵と経験を持ち寄って、「いまよりましな人材マネジメント」を作る努力を継続することが必要で、プロが集うJSHRMはそのための恰好の場である。「明日の人材マネジメント」を作るのは政府でも研究者でもない、われわれ実務のプロであるとの気概をもって活動すれば、JSHRMは日本の人材マネジメントをリードする存在になる。会員大会の活気に煽られてか、そんな「明日のJSHRM」を夢見ていました。
