JSHRM会員の誌面交流の場として、会員の方から寄せられた自己紹介や日ごろ考えていること、問題・課題意識などをご紹介します。
ゲスト:株式会社HRアドバンテージ 相原 孝夫 氏
会報誌Insights(Web版)に掲載する会員の自己紹介記事の依頼を受けまして、あまり気は進まないものの、お受けすることにしました。JSHRMに対しては、かつて幹事を務めていた頃、多少の貢献はしていたものの、退任して以降はほぼ貢献していないこともあり、協会からのご要望に応じることにした次第です。
とはいえ、実は「自己紹介」ということに関しては、私はある抵抗感をずっと持ち続けており、「自己紹介」と聞くと多少なりとも拒否反応を覚えるのです。と申しますのも、名前が名前なだけに、学生時代を通して成績はともかく、出席番号だけはずっと1番であり、自己紹介などは常に一番手で行ってきたからです。最初というのは、何を言ったらいいのかもわからず、とかく嫌なものです。この出席番号順というシステムはどうにかならないものか、と何度も思ったものですが、米国などでもアルファベット順ということがやはり多いらしく、他に順番をつける基準がない以上、致し方ないのかもしれません。
しかしある時、自分が言ったことと同じことを後に続く子たちも皆言うということを発見し、少しは自己紹介が好きになったことがありました。「好きな食べ物は…」と自分が言えば、後に続く全員が同様に「好きな食べ物は…」という自己紹介をするのです。そう気づいて、ある時(小学校4年生の時であった記憶していますが)、「苦手な人は、おばあちゃん」と言ってみました。実際に、いつもお説教をされていたので、私は祖母がたいへん苦手でした。すると案の定、後に続く子たちも、「苦手な人は、えっとえっと…」と苦しみながらも続いたのです。見かねた担任の先生が「無理に苦手な人を言わなくてもいいのよ」と救いの手を差し伸べたにも関わらず、結局最後までそれは続きました。
相川さんや相澤さんという人がいれば、私の出席番号は1番にならなかったわけですが、そういう幸運には結局恵まれませんでした。ちなみに、出席番号が一番早い名字はというと、阿(あ)さんや、安々田(ああた)さんという名字があるそうです。それは確かに最強ですね。一方、出席番号が一番遅い名字ですが、栂村(んがむら)さんだそう。なんと「ん」から始まるお名前。ということは、名前しりとりは「ん」がついても終わりにはならないということですね。
さて、「内容は何でもいいので」いうお言葉に甘えて気楽に書き始めたら、誠にどうでもいい内容のイントロが長くなり過ぎました。以下、少々仕事の話を付け加えさせていただきます。私は、90年代の中頃より人事分野のコンサルティングという仕事を始め、気づけば結構長くこの仕事を続けてきております。比較的飽きっぽい性格であると自己認識しておりますが、なぜ長く続いてきたかといえば、それはおそらく、同じことを続けているという認識を持ちづらい職業であったからであろうと思います。その時々で、企業人事に要請されるトピックは変化し、それに対応するため、私どもコンサルタント側が提供するサービスの中身も少しずつ変わってきたという背景があります。
そうした中で、私自身、一貫してこだわってきた点として「コンピテンシー」があります。コンピテンシーの概念を用いて人材像を描き、コンピテンシーを測定するために360度評価やコンピテンシー・インタビューを行い、コンピテンシーを開発するためにフィードバックやラーニングの支援をするなど。昨今、コーポレートガバナンスコードの関連で、役員の選抜・育成をより透明性高く行うということへのニーズが高まり、以前とは少し違った文脈ではあるものの、やはり現在もほぼこの周辺の仕事を主として行っております。格別優秀な方々にいろいろと質問をすることができ、貴重な体験談などを聞くことができるこの仕事は、仕事というよりも趣味に近く、比較的気に入ってやっております。
JSHRMとの関わりは2000年頃からであったと思いますが、同業者や企業人事の方々、大学の先生方と交流をさせていただきました。もちろん、そこで得る情報の価値も大いにありますが、私はそれ以上に、こうした場の持つ意味の方により有用性を感じてきました。学会などもそうですが、会社でも家庭でもない、第三の場を持つことの有意味さです。私は30代の頃、ややワーカホリック気味であったこともあり、ほぼ家と職場との行き来だけの生活をしておりました。当然視野は狭くなり、考え方も硬直化し、また、活動の範囲が職場だけに閉じているため、職場での状況の善し悪しが自身のメンタルに過度に影響を及ぼすということもあったように思います。第三の場を持つことにより、第三者的な見地から物事を見ることができるようになり、また、柔軟に新たな視点を取り入れることもできるというメリットは大きいのではないでしょうか。そうした意味でも、人事に関わる方々にとって、このJSHRMという場は有用性の高い第三の場となり得るのではないかと思います。
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