●「2017年度総会報告~会員会則一部変更~&特別講演会実施から」

 2017年度のJSRHM年次総会が、6月8日(木)夕刻に開催されました。当日は議決権を有する会員28名の出席と56名分の委任状をいただき、総会成立要件の「出席会員66名以上」を満たしました。
 当日の状況をサマリーレポートしました。

冒頭 谷川会長あいさつ

 冒頭に谷川和生会長から挨拶があり、今後の抱負として「人事のプロが集まる協会」という設立以来の目標に向けた更なる活動の展開を図ること、特に世界連盟の日本
代表機関という当協会の特徴をうけて、グローバルなHRM活動を強化していくことなどへの言及がありました。

 次いで、代表常任役員の藤岡氏を議長として議事が進められ、星事務局長による2016年度の活動報告・会計報告の概要説明、会計監査人の河田氏による会計監査報告が行われました。いずれの報告も質問や疑義など無く、賛成多数で承認されました。

河田会計監査人の報告(右側)

 活動報告では、例年の活動に加え、新たに行った新規入会者の歓迎会や協会ホームページの大幅リニューアル、3つの自主研究会の新規立ち上げなどが説明されました。
会員数は、昨年度末の321名から349名へと若干の増となりました。(いずれも準会員、特別会員を含む)。

 会計報告では、昨年度収支の実績の内訳、予算との差異についての説明がありました。2016年度は、総収入1071万2千円、総支出1077万円、収支差は-5万8千円となりましたが、2011年度以降のマイナス幅は、470万8千円から年々縮小してきており、収支はほぼバランスしたといえる状態となりました。

 続けて、2017年度の活動方針(案)、2017年度の活動予算(案)、会則改定(案)の3つの議案審議に入りました。

 活動方針(案)では、重点項目として、会員拡大を通じて活動の裾野(すその)の拡大を図ること、情報発信と共有の強化に向けたWEB強化やSNS化の推進などが提示されました。裾野(すその)拡大、会員拡大の基軸となる自主研究会活動については、HRカフェの移行も含め10の研究会活動の活性化に向けた、協会としてのバックアップ強化が説明されました。

 協会の知名度アップと会員の利便性向上を目的として、協会ホームページの見直しと強化、協会のフェイスブックの活用展開、会報誌インサイトの電子媒体化などの施策が計画されています。
また、活動全体の支援強化のために事務局体制の強化についても提示がありました。

 協会の知名度アップと会員の利便性向上を目的として、協会ホームページの見直しと強化、協会のフェイスブックの活用展開、会報誌インサイトの電子媒体化などの施策が計画されています。
また、活動全体の支援強化のために事務局体制の強化についても提示がありました。

 活動予算案については、総収入1025万円、総支出1010万円、収支差15万円の黒字という内容になっています。総収入については前年度比で縮小していますが、これはHRマガジンの仲介サービスの停止、HRカフェが協会事業から自主研究会化されたことが主因ですが、会員収入についても必達を図るべくやや保守的な数字になっている旨、説明がありました。
収入の圧縮に対し、HRマガジン、HRカフェに関わる費用予算消滅、インサイトの電子媒体化による印刷費や配送費の削減など、支出の圧縮も同時に組み込まれています。これにより収支の黒字化を図ることが大きな目標の一つとなっています。
 会則改定案については、会員の権利と義務のバランスを考え、会費未納の会員については該当する年度について議決権を付与しないこと、またこれにより臨時総会の開催や総会成立の根拠となる「会員総数」については、これを「議決権を有する会員」に置き換えることなどの改定を行いたい旨、説明がありました。
3つの議案ともに、特に疑義や質問など無く、賛成多数にて承認されました。(会則改定を参照ください)

講演会司会は高橋常任役員(右側)

 総会の後には、『「働き方改革」へ企業はどう対応すべきか ~弁護士から見た最新法改正の動向と企業の課題~』と題した特別講演会が開催されました。一般の方11名を含む57名の参加を得て、安西法律事務所の倉重公太朗氏による興味深い講演と活発な質疑が展開されました。

講演に熱入る倉重さん

 倉重氏の講演では、労基法改正の進捗状況、裁判所の対応状況、改正内容に至る労使の意見・行政の思惑などの背景事情など、人事担当者からは見えにくい要素についての情報提供がされたほか、企業として対応する場合の優先順位、具体的なアクションアイテムなどの実務に直結するアドバイスがされました。

 講演の最後に、結局「働き方改革」とは何を「改革」するのかという根底にある考え方についてのまとめがされました。単なる残業削減や同一労働・同一賃金の実現といった表層的な対応ではなく、人口減の下で経済成長するために労働モデルを転換すること、すなわち、画一的な「昭和的働き方」から「高度な個別対応」のできる人事マネジメントを進めることが改革の基本となるとのお話がありました。

熱心に聴き入る参加者たち

 講演後の質疑の時間には、「生活のために残業せざるを得ない」「わがままな顧客への対応で労働時間は短縮できない」といった、現実社会におきている状況にいかに対応すべきか等の質問や、「昭和的働き方」から脱却できないオールドエコノミーに対し既に働き方改革を実現してしまっているベンチャー企業の事例紹介、自社の改革の取り組みの紹介などがあり活発な意見交換がなされました。

(報告:常任役員 野村 和宏)

会則変更

【改定にあたっての考え方】

  1. 会員について定める第4条の中に、会費、議決権の定めがある点を整理する。会費無料の定めは第5条の2へ、議決権無しの定めは第14条へ移管。
  2. 第14条第1項但し書き(議決権を有しない会員の定義)に、会費滞納者は議決権がないことを明記する。
  3. 第14条第2項第2号の臨時総会開催要件を「会員総数の3分の1」から「議決権を有する会員総数の~」に改定。議決権を有しない会員が総会開催を請求しても実効性がないため。
  4. 第14条第5項の定足数を「会員総数の4分の1」から「議決権を有する会員総数の~」に改定。議決権を有しない会員を母数から外す。

【改定(関連条文のみ)】注)(アンダーライン)の箇所が改定

(会 員)
第4条
 3.会員の種類は次の通りとする。
 (1)正会員:個人会員ならびに法人会員の代表者
 (2)準会員 :法人会員の代表者以外の登録者
 (3)学生会員:大学等教育機関に在学する学生(社会人大学生等を含む)
 (4)特別会員:本協会が招聘する個人で、役員会の承認を得た者
 4.前各項に関わらず、第18条に定める専門部会・委員会活動や、新規入会に向けた試用のため、期間限定会員を設ける場合がある。
(会 費)
第5条の2 会員は、常任役員会の定めるところにより毎年指定日までに次年度の会費を納入しなければならない。
     但し、特別会員、期間限定会員は無料とする。
 3. 2期に亘り会費を滞納した会員は、退会したものとみなす。
(総 会)
第14条 総会は、本協会の会員によって構成される最高決議機関であり、次に関する事項を決議し、承認する。
    但し、準会員、特別会員、期間限定会員、並びに会費を滞納している会員は、総会の議決権を有しない。
(1)議決事項 (省略)
(2)承認事項 (省略)
  2.総会は、年次総会および臨時総会とする。
  (1)年次総会 事業年度毎に1回開催する
  (2)臨時総会 常任役員会が必要と認めた時、または議決権を有する会員総数の3分の1以上から付議事項を明示して請求があった時に随時開催する。
5.総会は、議決権を有する会員総数の4分の1以上の出席会員を以って成立する。
 但し、出席会員には、委任状による出席者数、書面あるいはEメールによる議決権行使者を含めるものとする。


渋谷三丁目1ー1 編集後記

  • 本年3月から星事務局長の補佐として、事務局業務をお手伝いすることになりました常任役員の野村です。協会の定例活動支援に加えて、協会のルールの整備、会員各位へのサービス向上、さらには事務局業務の効率化などに取り組んでいます。独立した組織として今後の活動が円滑に推進され、会員数や会員サービスの拡大につながるよういろいろ検討・企画を進めています。いろいろな方が会員となり、その方々が積極的に協会活動に参画していただいて相互に学び、切磋琢磨する…こうした状況が生まれることがこの協会の強みであり独自性であると考えています。是非、読者の皆様からもご意見・ご要望をいただければと思います。
  • 世の中は目まぐるしく状況が変化し、人事はその流れについていかなければならない業務だと思います。正規雇用や非正規雇用、ダイバーシティにLGBT問題。世の中には様々な問題が溢れていて、人事は常に変化を求められる業種なのだと思います。一昔前までは女性の働き方、次は非正規雇用、育児休暇や残業問題。今では、元気なシニアは雇用で、現役の人には介護問題が頭をもたげます。万能な解決策なんてありません。時代に合わせて一つ一つ作って行かなければならず、人事は柔軟な思考と、考える力、洞察力を必要とする「社会を見る力を持つ」職務なのかもしれないと痛感しています。(事務局:田中)
  • 早いもので、今年も半年が過ぎ、7月に。JSHRMとの関わりも開設準備から開設後の会員活動、そして事務局に係り6年目と、あっという間に暦は過ぎていきます。さて、今年社会人となった新卒新入社員にとってこの時期は、3か月間を振り返り、当初とのギャップを確認する最初の節目でもある。本人と配属先の先輩や上司との面談を通じ、ラインと人事との情報共有を図り、個別育成計画の見直しからよりOJT実践に人事担当者のフォローを期待したい。ところで、昨今の世の中の動きは自己認識に欠けることが多いように思える。当方も自己認識ができているとは言い難いが、社会との関わりには、自己認識ができてこそ、社会人といえるのではないかと思われる。★