本号では働き方改革総点検をテーマに掲げてお送りします。特集1はコンサルタントであまねキャリア工房代表の沢渡あまね氏に「『職場の問題地図』から考える本当の働き方改革~残業だらけで休めない働き方をいつまで続ける!?~」と題してお話を伺いました。働き方改革の真の目的は時間当たりの生産性向上のはず。そのために私たちがすべきことは何なのでしょうか。

 続いて特集2では、個別の職種に焦点を当ててインタビューをしました。社会学者の宮地弘子氏、タイトルは「『デスマーチはなぜなくならないのか IT化時代の社会問題として考える』を読む~ソフトウェアエンジニアの「働き方改革」実現に向けて~」です。典型的な現象を取り上げて語っていただきました。IT業界の人事の方も、そうでない方もそれぞれの経験から「働き方改革」について考えてみてください。

 特集3では引き続き、研究者の方に「働き方改革」を伺います。「『働き方総点検 多事総論!』~経営学の視点から働き方改革議論を総ざらい~」、インタビューは法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授の高田朝子氏です。世代、地域、そして国といった視点で論点を整理し、課題をまとめていただきました。なお、この特集は全て岡田編集部会長がインタビュアーです。その鋭い切り込みにもご注目下さい。

 また、巨大企業の不祥事が今もメディアを賑わせる日が続いています。この問題に組織と人はどう関わっているのでしょうか。「巨大不祥事を対象とした人事考課システムの考察~エンロン事件におけるPRCシステムの断罪~」と題し、大阪産業大学経営学部商学科講師 中原 翔 氏に寄稿いただきました。ご一読下さい。

 さらに人事セミナーについての報告です。テーマは「Employee Engagement(エンプロイ・エンゲージメント)」。従業員のパフォーマンスを上げるため、どのような議論がなされたのでしょうか。中田編集部員からの寄稿です。

 連載記事も続いてまいります。「海外の専門誌から」では「人事分野における9つのIT技術活用動向」と題した黒田編集部員のHRマガジン要約記事をお送りします。世界を変えるのはグローバリズムよりもテクノロジーと言われます。人事分野にはどのようなテクノロジーが押し寄せているのでしょうか。ご精読下さい。

 そして、ぶらり企業探訪問ではインターネット写真事業などを展開する株式会社フォトクリエイトの人事総務部長、新井徹平氏を訪ねました。事業内容もその思いも必見です。

 HR cafe では「これからの時代『人が集う空間プラットフォーム』をつくるとは」として株式会社HR ファーブラの代表取締役山本紳也氏をモデレーターに、同志社大学客員教授・フランス国立労働経済社会研究所客員研究員の山内麻理氏と公益財団法人東京フィルハーモニー交響楽団広報渉外部長・株式会社経営共創基盤(IGPI)顧問を務められる松田亜有子氏にご登壇いただきました。この参加者レポートも目が離せません。

 JSHRM研究会紹介では「れこると♪」を取り上げます。ぜひご覧いただき、活動に参加してはいかがでしょうか。

 この巻頭言は終業後に30分ほどかけて書き上げました。ダラダラ残業はせずに時間を捻出していますが、高付加価値・生産性の向上は道半ばのようです。

JSHRM Insights編集部員荒川 勝彦

インサイト編集部会
部会長 岡田 英之(JSHRM執行委員)
部員 中田 尚子/黒田 洋子/荒川 勝彦

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