JSHRM会員の誌面交流の場として、会員の方から寄せられた自己紹介や日ごろ考えていること、問題・課題意識などをご紹介します。

日本ゼオン株式会社 葛 文君 氏

ゲスト:日本ゼオン株式会社 葛 文君 氏

 初めまして、JSHRM基礎講座第41期卒業生の葛と申します。中国大連出身、2009年9月に交換留学で日本に来ました。2014年早稲田大学大学院経済学研究科を修了した後、店長、コンサルの仕事を経験し、現在人事として、ダイバーシティ&インクルージョン推進関連の仕事に携わっています。「誰もが自分らしさを表現できるキャリアを見つけ、イキイキと働く人(働楽人)を増やしたい」「みんなの個性を活かしあう強い組織を作りたい」というミッションを抱えながら日々頑張っています。

 「人事」はどのような役割を担っているか、その全体像を学びたいため、本講座に申し込みさせて頂きました。講座を通じて、ソフト面の人材育成、ダイバーシティ風土醸成から、ハード面の人事制度や報酬体系まで、いろんな視点で「人事」としての使命を勉強させて頂きました。毎回の講師は違うため、たくさんの企業事例を紹介いただき、とても刺激になりました。また、他社人事担当者や人材育成業界の仲間と共に「人事」について考えたり議論したりでき、皆さんと少しずつつながりを深められたことは、ずっとテレワークをしている私にとって一番の収穫だと思います。JSHRMに大変感謝しております。

 人事になる前に、人材育成と組織変革のサポートを提供するベンチャー企業に4年半ほど勤めました。コンサルとして、マクロ視点でお客様会社の課題を抽出したり、課題解決に向けて提案する仕事をしていました。たまに講師としても登壇させて頂きました(笑)。一方、人材育成と強い組織を作るきっかけを提供しても、みんなは現場に戻ったら宣言した通りに実践したか、何か成果を出したか、もしくは何か壁にぶつかって個別の支援が必要なのか…そんなことは必要だとしても私がサポートできることではありませんでした。

 より長期的に現場社員の活動に伴走したい、変革活動の成果を見たい、できれば現場社員と共に変革活動を行いたい、という意欲がだんだん強くなりました。そのようなサポートを実現したければ、コンサルではなく、人事としてやった方が早いかと思って転職活動を始め、昨年9月にご縁があって、化学メーカーの人事になりました。入社する前に思った人事の仕事は、経営陣が描いたビジョンや行動方針を現場に浸透させつつ、現場の課題を抽出して上に提言する橋渡し役のような存在だと思いましたが、1年体験して、議論と提言だけでなかなか現状を変えない現実を強く認識しました。

 本当に「みんなの個性を活かしあう強い組織」を作りたければ、人事は誰よりも率先垂範の行動を取らなければならないと感じて、昨年11月から働き方改革を始め、様々な組織変革関連のプロジェクトに入ったり、役員から一般社員までいろんな人との対話活動を行ったりしています。皆さんが抱えている共通課題を抽出しつつ、草の根活動を徐々に展開し、少しずつ周囲を巻き込んで変革活動を進めています。

 こうした活動をしながら、自分のスキルや知識がまだまだ足りないなぁと痛感したため、今年は新たなチャレンジとして、国家資格キャリアコンサルタントを取得することを目指しています。労基法や、労働経済の分析など、覚えなければならない資料はいっぱいあるし、面談の実技を磨かなければならないし、本当に大変です(笑)。でも、「誰もが自分らしさを表現できるキャリアを見つけ、イキイキと働く人(働楽人)を増やしたい」「みんなの個性を活かしあう強い組織を作りたい」という私の存在意義を実現するために、頑張るしかないじゃん♪

 正直3年後、5年後、10年後、自分はどの国でどのようなキャリアを歩んでいるか全く読めませんが、どこにいても、私のミッションは変わらないと思います。その未知の未来を楽しみながら、今は人事として精いっぱい磨きたいと思います!