コロナ禍で激変したと言われる?就活環境。「働き方改革」が叫ばれても、導入が進まなかったテレワークですが、コロナ禍の影響で浸透が加速したことと同じく、「採用選考プロセスのオンライン化」も加速していくのでしょうか。新卒一括採用の是非が議論されて久しいですが、個別化・多様化・通年化が進む新卒採用の中で、企業はいかに学生と向き合うべきなのでしょうか。大きく変わるインターンシップと合同説明会の関係、激増するオンライン面接への対応法、多くの学生が勘違いしているエントリーシートの書き方、適性検査の準備など。就活を取り巻く環境は日進月歩です。今回の特集2では、コロナ禍での新卒採用実態について、石渡嶺司さんに語っていただきます。(編集長:岡田 英之)

ライター・大学ジャーナリスト 石渡 嶺司 氏

ゲスト:ライター・大学ジャーナリスト 石渡 嶺司 氏

1975年札幌生まれ。東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。大学選び、就職活動をテーマにした執筆活動に定評がある。
主な著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『就活のコノヤロー』(光文社新書)、『就活のバカヤロー』『アホ大学のバカ学生』(光文社新書、共著)など31冊・累計約60万部。2021年は『就活のワナ』(講談社+α新書)、『大学の学科図鑑 改訂版』(ソフトバンククリエイティブ)を刊行。
2014年からYahoo!ニュース個人で就活、大学関連の記事執筆を開始。2018年にYahoo!ニュース個人オーサーコメントアワードを受賞。2019年以降は平均月1回程度、ヤフトピ入り。

就活のワナ

どうする?どうなる?どうなった?コロナ禍での新卒採用~インターンシップ、オンライン採用の現場から~

岡田英之(編集部会):本日は、フリーランスライター・大学ジャーナリストの石渡嶺司さんにお越しいただきました。この対談では最新著の『就活のワナ』を中心にコロナ禍の就職活動、特にインターンシップ事情と採用のオンライン化について伺いたいと思います。

◆コロナ禍で変わるインターンシップ

岡田:まず、簡単に石渡さんの自己紹介と、最新著の「就活のワナ」のご紹介をお願いします。

石渡嶺司(大学ジャーナリスト):私は、2003年から大学ジャーナリストという肩書で活動し、大学、就職活動、キャリア、転職等を主な分野としています。19年間で31冊の本を出させていただきました。ここ3年くらいはネットメディアで記事を書く機会がかなり増え、2018年はヤフーニュース個人のオーサーコメンターアワードという賞をいただきました。『就活のワナ』ですが2021年1月に講談社+α新書から刊行しました。現在のコロナ禍で揺れた就活状況の変化、並びに具体的には就活のノウハウについてまとめた一冊です。

岡田:有難うございます。今、「コロナ禍での就活」というキーワードが出ましたが、コロナ以前と何が変わったのか、変わってないのか。まず、インターンシップについて、現在どのような状況なのでしょうか。

石渡:インターンシップの状況は一言でいうとカオス、混沌としています。インターンシップは直訳すれば就業体験、仕事体験で、文部科学省、厚生労働省、経団連も就業体験と位置づけています。これには字義通り就業体験できるものもありますが、1日で完結する1日インターンシップが多数を占めています。

岡田:ワンデーインターンシップですね。

石渡:そのワンデーインターンシップも内容が多種多様で、業界研究とかグループワーク、工場見学をするというものから、模擬面接を体験するというものまで、かなり多種多様です。当然、学生はインターンシップのカオスの状況で戸惑います。
加えて、大学によっては長期間のインターンシップを単位認定して開講しており、参加をアピールしなければなりません。その際、就業体験できるインターンシップは就活に有利になり、ワンデーのものはインターンシップじゃないと話す大学すらあります。
ところが、ワンデーがかなり大きな比重を占めていて、秋から冬のインターンシップは実質的にはセミナーとそんなに大きくは変わりません。インターンシップはカオスだとお話しましたが、時期によっても意味合いが変わってしまうんですね。

岡田:なるほど。

石渡:まず21卒、今年の卒業者はコロナによって3月の合同説明会も中止になり、大きく影響が出ましたが、インターンシップに参加した学生はさほど大きな影響を受けずに、4月、5月で内々定を、6月に大企業から内定を受けるという事例が多数ありました。そうした事例を聞いた22卒、現在の4年生は、インターンシップに参加しなきゃまずいということで、去年の夏、参加希望の学生が相当に増えたんです。
学生からすればインターンシップ=就業体験、長期間であり、そこまで時間をかけるのであれば、志望業界を早目に決め、志望企業のインターンシップに行きたいと考えます。一方で、企業からすれば去年の夏、感染リスクがあってインターンシップは怖くてできません。やるとしても規模を縮小とか、オンライン実施を模索する動きもありました。さらに、3年生の夏にインターンシップを実施しても、あまり採用への効果はないのではと考える採用担当者が増えていました。
その結果、インターンシップ参加希望の学生が増えた一方で、3年生の夏休み、2020年の夏にこれを実施する企業はむしろ前年より減ったといっていいでしょう。学生からすれば、もともと多くなかった機会がさらに少なくなり、志望の企業、業界のインターンシップに参加できなかった学生は、もう就活ダメだと勝手にあきらめてしまう。私はセルフ氷河期と呼んでいますが、それを作ってしまう学生が結構いました。

岡田:なるほど。そんなカオスの中で学生は当然、右往左往している。採用する企業側もカオスだとすると同じく右往左往しているんですか?

石渡:そうですね、企業は、わざわざ東京本社に呼ばなくてもオンラインで簡単につながることに気づき、学生との接触が増えていったということです。しかしオンライン一辺倒はもう飽きた、対面ならば知名度が低くても、知らない企業でも価値があり行ってみたいという学生がかなり増えました。

コロナ禍での就活は、“セルフ氷河期”

◆新卒一括採用の崩壊、採用の多様化

岡田:『就活のワナ』にも書かれてますけど、このオンライン化、デジタル化によって地方の学生や海外の学生に対しても、企業側はアクセスしやすくなりましたよね。また、新卒一括採用神話ということを論じていること自体がもう古くて、各企業はそれぞれ自分達にとって最適なタイミングで学生さんを採用しに行っているといったようなことを書かれていますけれど、これはどういう意味でしょうか。

石渡:新卒一括採用の「一括」という部分と、一括採用の対義語としての「通年」採用の意味合いと、これ、それぞれ受け取り方によってかなり変わってきます。

岡田:なるほど。

石渡:一括採用というのは、決まった時期に合同説明会に行って、選考、内々定や内定式の時期も全部同じというのが一般的な理解ですが、コロナショックによって21卒の内定式は、4年生10月で同じではあっても、内々定や選考の時期というのは、かなりバラけるようになりました。その点では、「一括」という部分は結構崩壊しています。

岡田:なるほど。

石渡:それと通年採用ですが、これも意味合いがいくつかあって、採用時期、入社時期も全部バラバラだというのもあれば、採用時期は分かれるけれども入社時期は同じとか、意味合いがいくつか分かれます。
入社時期がバラバラだと、採用担当者からすれば手間がかかり過ぎ、そこまで踏み切っている会社はコロナ以前も、コロナショック後も多くはありません。2010年代以前は、採用時期の分割化という話は、採用担当者のあいだでは悪手(悪い手)とされていました。
ところが2010年代半ばあたりから、売り手市場が長引いたことに加えて、留学するとか、公務員試験や教員採用の時期で合わないなど学生も多様化していった。欲しい人材なのに、採用時期が固定では間に合わなくなり、時期を分割化する方が効率的と気づく企業が増えていったのが2010年代半ば以降です。

岡田:先程のインターンシップによって、就活格差というか就活迷子になる学生さん、自分を見失って就活というカオスの中で翻弄される学生さん、こういった学生さんへのアドバイスは何かありますか。

石渡:要はセルフ氷河期に陥ってしまう学生は、結構一方的に思い込んでしまっている。断片的な、ネガティブな情報をより悪い方向で自分に当てはめてしまうという傾向が強いです。そういった就活生は、より広く視野を持つこと、ネガティブな情報以外の情報は何だろうとか、インターンシップの意味合いっていうのは就業体験以外でどうなのだろうとか、自分なりにいろいろ調べるということは必要かなと思います。

◆オンライン化はどこまで進むか

岡田:ありがとうございます。では次に採用のオンライン化についてお話を伺いたいんですが、オンライン化されたことによって学生さんの動きはどのように変わったのでしょうか。

石渡:オンライン化の前、まあコロナショック以前であれば、まず地方の就活生っていうのはかなり不利な状況にありました。北海道とか九州の学生は、説明会のためだけにわざわざ東京、大阪に出なければならなず、交通費がかなりかさむという状況にありました。
コロナショックによって、自宅にいながら、地方にいながら説明会や選考に参加できるという状況が一気に強くなりました。それによって、一言で言うと高学歴化が一気に進みました。コロナショック以前であれば、セミナーや選考の実施会場に来られる学生が中心で、基本的には近隣の大学生ということになります。
ところがオンラインによって、セミナーや選考にも偏差値でいうと従来よりも高いんじゃないか、大学のレベルも高いんじゃないかという学生が集まるようになりました。特に就活を早く意識した学生からすれば、大企業、知名度の高い企業ではなく、知名度が低くても自分に合った企業を考えるようになり、その二つの要素によって高学歴化が一気に進みました。

岡田:あの、今のお話で、石渡さんご専門の「学歴フィルターの社会問題」や「学歴フィルターの差別問題」、あの話っていうのは、オンラインによってどうなるのでしょうか。

石渡:どちらかと言われれば、加速したとみています。集まる学生が例年以上に優秀だと、そちらを選考に残そう、内々定を出そうとなる。以前であれば集まっていなかった地方の優秀学生が参加していて、割を食うのは例年なら内々定を得ていたのであろう私立大学の中堅クラスです。企業からすれば大学名差別とか学歴フィルターをがっちりやろうという話ではないですが、結果論としてはかなり強くなりました。

岡田:元三幸製菓の杉浦さんが先日、「ストロー現象がまた始まった。オンラインなので東京の大企業が地方の優秀学生をストローみたいに根こそぎ吸い上げていっている。北海道とか九州とか、地元の優良企業の採用が苦しくなった」と仰ってまして、今の石渡さんのお話に合致したのですが、地方の優良企業は、これからどういう戦略を取ったら良いのでしょうか?

石渡:大都市の就活は基本早いのですが、地方だと、杉浦さんご出身の新潟であれ、大体はゆっくりやります。それは地方の大企業も、中小企業もほぼ同じです。ところが、地方の優良企業、具体的には銀行、食品といった企業によっては東京、大阪の学生が早く動きますから、地方も採用時期を分割化して内々定を早く出すという話がありました。
コロナショックによるオンライン化というのは、地方ではそこまで進んでいません。大企業であっても、説明会や選考は直接会うことにこだわり過ぎて、乗り遅れたという企業も結構あります。杉浦さんはそういった企業を観察され、それがストロー現象で損をしたという話になるのかなと思います。

岡田:オンラインに関してもうひとつ。学生さんにしてみれば一度もリアルに対面で接してない会社から内定をもらった。はてさてその会社に決めて良いものだろうか、この辺いかがですか。

石渡:オンライン化によって、学生にとっても、企業にとってもメリット、デメリットがありました。企業のメリットは移動の手間暇が省けたというのがありますが、一方で、オンライン選考で言いますと、学生の雰囲気がつかみづらくなったというのがあります。画面越しになるので、身長等がわかりませんし、その学生が持っている雰囲気、言語化しづらい部分というのが、会えばわかるのですが、画面越しではつかみづらいというデメリットがありました。
去年は会社説明会から最終選考まで全部オンラインでやる企業もありました。その結果、その会社の実態が何かというのがよくわからないまま内々定をもらうという事例も結構増えました。会社の雰囲気がつかめてないので、内定辞退しますという話にもなりかねません。オンラインの面接って、学生の雰囲気がつかめないということと、企業の雰囲気を伝えることができないということ、この二つが大きなデメリットです。
今年は、オンラインのメリットを認めて、会社説明会や初期選考はオンラインでやり、中盤ないし終盤、最終面接は、感染対策をしっかりやった上で、対面でやるという企業が主流になったかなと思います。
つまり、オンラインで初期の面接をやった後に、参加学生を絞った上で一回、対面のセミナーを挟むですとか、会社説明動画を作って、オンライン選考を受ける前に見てもらうとか、対面や動画で会社の雰囲気を伝えようとする動きがありました。
もう一点だけ、対面の良さとともに感染リスクがある訳です。特に最終面接だと、トップクラスの人材が感染するリスクはできるだけ避けたい。じゃあどうするか。本社、支社に面接会場があるにも関わらず、わざわざ社外の会議室を借りて、そこで面接を実施するというのが増えました。

岡田:なるほど、なるほど。やっぱり選考プロセスの中に、対面という要素は絶対入れ込んでくるんですね。

石渡:企業からすれば入れたいでしょうね。大体の企業は直接会って対面で仕事する訳だし、そうなると最低1回は対面の面接を入れたい。

岡田:その対面の場づくりですが、貸会議室といったところで対面接触して、学生にしてみると会社の雰囲気って伝わるんでしょうか。

石渡:会社の雰囲気がつかめるところまでは期待できない。しかし、面接担当者と直接会って話をするわけですからオンラインよりはまだつかめるといったところでしょうか。

岡田:とは言え、かなりテクノロジーも進化してきて、リアルに近い体験がヴァーチャルリアリティ(VR)でできるようになってきているんですが、こういった話というのは出ているんでしょうか?

石渡:企業によっては、VRを使って会社見学会をやります、工場の様子を見せますという動画を作っているところも増えつつあります。それでも、面接であれ、説明会であれ、1回は対面を挟んだ方がいいだろうというのが今のところ多数ですね。

採用のオンライン化はどこまで進んだのか?

◆学生の志望動機をどう扱うか?

岡田:最後に、ご著書の中で気になっていたのが、いわゆる志望動機の話です。必ず採用選考で志望動機を聞いてくる問題で、過去の延長線上でやっている。その志望動機、ガクチカ問題について、ご著書の内容ですけれど、少しご紹介いただいてよろしいでしょうか。

石渡:まず志望動機。面接にしろ、エントリーシート、履歴書にしろ、よく出てくる設問ないし質問というのが、志望動機、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)、自己PRの3点で、だいたいこれに集約されます。2010年代以前は志望動機を重視する企業は非常に多く、就活ノウハウ本でもこれを最重要視するというノウハウが多数を占めました。
ところが2010年代以降、売り手市場が長引いたこともあり、特に知名度の低い企業の採用担当者の中から、学生の志望度を上げていくのは、学生の仕事ではなく採用側の仕事ではないかと、意識が変化するようになってきました。

岡田:なるほど。

石渡:仮に中小企業の合同説明会などで、学生が興味を持った企業があったとしても、書類選考ないし初期の面接で志望動機を聞いたところで、「合同説明会でなんか面白そうと思いました」以上の話ってできないんですよ。同じことは知名度の低い大企業にも当てはまります。書類選考の段階で志望動機がはっきりしていないから落とそうという話になり、企業からすれば、本来欲しい人材であったにも拘わらずとりそこねてしまうということになってしまいます。
そこで、知名度の低い企業を中心として、(設問の中で)志望動機の優先順位を下げていく企業が増え、この傾向はコロナショックの去年やそれ以降も大きくは変わらなかった。むしろ自己PR、ガクチカを中心に見ていく方が加速していったと思います。
志望動機の使われ方は、企業によってかなり大きく別れます。具体的には、大企業を中心に志望動機の優先順位を下げていくところが多数ですが、そうは言っても幅があり、エントリーシートの項目から落とす、初期面接では聞かないというところから、一応、エントリーシートの項目として残すとか、初期の選考でも一応聞くが、実はそこまで重視しないとか、エントリーシートに志望動機、自己PR、ガクチカそれぞれ書かせるんですが、文字数は志望動機を100~200字くらい、自己PR、ガクチカを400~500字とちょっと長く書かせるとか、比重を変える企業が非常に増えました。
ただ、最終選考では志望動機をがっちり聞いてきます。企業規模、従業員規模の小さい企業で300人を切ってくると、そういった企業がかなり増えますが、その背景には、社長ないし経営陣の個性がかなり反映されます。学生の志望動機を聞き、学生との相性をかなり重視しているので志望動機をちゃんと聞いておきたい。また、今年の学生の志望動機を聞くのが社長ないし役員の楽しみだからとおっしゃる方が非常に多い。もっと判り易く言うと、要は自分の企業のことを褒めて欲しいんです。

岡田:先程のお話しで、知名度があまりない中小企業は、むしろ採用担当者が学生に対して志望動機を作ってあげる、サポートする動きが必要だと仰ってたんですが…。

石渡:学生に対して志望動機を作るかどうかはともかく、自社に来て欲しいという志望度向上の努力というのが、採用担当者には必要かなと。中小企業では、本来は志望動機という要素をあまり気にせず、しかも志望度は上げていかなければならない立場なんですが、社長、役員を中心に志望動機を重要視するので、最初の選考ないしはリエントリーシート、履歴書の段階から志望動機をがっちり聞き、書かせます。それで学生の採用がなかなかうまく行かないってところが結構多くあります。

岡田:いまのお話では学生に会社を誉めて欲しい、神輿を担いでほしい。学生も担いでいるふりをする。そんな状態の中でミスマッチもある程度起きると思うんですね。

石渡:手間はかかるんですが、少人数でセミナーをやるとか、そこで志望動機の話も含めてしてしまうとか、そういった工夫は必要かと思います。従業員規模の大きい企業ならば、志望度を上げていく作業は、説明会から選考の中盤まで、ある程度ゆっくりやれる訳ですが、中小企業であれば、いきなり初期の選考、あるいはエントリーシートの段階から志望動機をガッチリ書かすので、志望度を上げる余裕がないんですね。だから、志望度を上げるにはエントリーシート提出前のセミナー、説明会で工夫せざるを得ない。

岡田:なるほど。

石渡:かなり難しい作業ではありますが、それが難しいというのであれば、志望動機をありがたがる社長、役員をどうにかして説得することになる。どっちに転んでも面倒くさいんです。

◆おわりに 採用担当者へのアドバイス

岡田:さて、締めの質問です。コロナ禍でいろいろと模索をしている企業の採用担当者。オンラインも、インターンシップもそうですが、内定辞退とか入社後の早期離職もそうで、採用担当者は今コロナ禍で悩みは尽きないと思うんですが、何かアドバイスをいただけたらと思います。

石渡:コロナショックによって大きく社会が変わりましたし、就活も就職氷河期になっているという論調で記事をまとめるメディアもありますが、実態としては、私はまだら氷河期とみています。つまり、売り手市場もあり、若干採用数を少なくする寒冷期もあり、バッサリ止めてしまう氷河期もあり、学生の方は勝手にあきらめるセルフ氷河期で、これが混在しているというのが、このコロナショック後の就活状況かなと思います。
全体としては売り手市場がほんのちょっとおさまった程度であって、採用が厳しい状況にあるというのはそんなに大きくは変わっていません。コロナショックだから、氷河期だからほっといても学生が集まるという状況には決してありません。
採用担当者に求められる工夫ですとか、見識というのはオンライン化あるいは、インターンシップの多様化、カオス化を含め、かなり大きなものがある。ですので、なかなか大変な状況にはありますけれど、逆に言えばちょっとした工夫で新卒採用が大きく変わる可能性を秘めた時代へと変化していると思いますので、今後も新しい状況をつかみつつ頑張っていただきたいと思います。

岡田:今後の活動予定とか、出版予定などありますでしょうか。

石渡:今のところ出版予定は、まだ大きなものは特には無いのですが、このコロナショックによってまたさらに就活状況も雇用環境も変わっていますので、記事や本にまとめていきたいと考えています。

岡田:有難うございました。本日はお忙しいなか無理矢理お時間を頂戴し、すみませんでした。非常に有意義で採用担当者のみなさんにとってもヒントになるお話だったかと思います。

アフターコロナの就活はどうなる?