2021年度のJSHRMの活動は「グローバルHRM領域の強化」を課題として進めており、6月の「Creating People Advantage 2021」の調査への協力、アジア太平洋地域の上位組織(APFHRM)の幹部メンバーとの研究会開催、さらには11月のAPFHRMのボードミーティングに出席し、日本の人事の現状について報告しました。

今回、12月6日~8日にスリランカのコロンボにて開催されたWorld HR Congress(オンライン)にも5名が参加し、グローバルなHRM動向について情報収集し、グローバルイベントを体感しました。

本来は展示会や表彰式などを含むハイブリッド開催の予定でしたが、コロナ禍の影響で急遽オンライン開催に変更となり、主催者側は大変に苦労されたと思いますが、SNSアプリを有効活用したリッチな内容のイベントとなっていました。

以下、速報として参加者からの感想、コメントをまとめましたので、ご紹介いたします。

会長 中島 豊 氏

中島 豊

昨年12月8日のWorld HR Congressで日本時間17時10分から1時間にわたって開催されたLeadership, Teamwork, and Culture for High Performanceと題されたセッションで、モデレーターを務めました。講演者はあのF1グランプリを制したセナを中心としたメルセデスのチームを運営する企業の人事担当者でした。F1チームが、高度専門家を集めた企業組織であった事を初めて知っただけでなく、レース中のチームが不測の事態に対応出来るように支える組織文化の構築やトップのリーダーシップなど、グローバルの人事に対する「不知の知」を実感出来ました。日本の人事も国内セミナーだけでなく、このような場で知見を広めるべきだと感じました。

副理事長 山﨑 京子 氏

グローバルなHRM会議といえば米国SHRMの大会が日本では広く知られていますが、実はSHRMもメンバーの一員となっている上位組織であるWFPMA(世界人事協会連盟)が実施しているのが、このWorld HR Congressです。今回はアジアを代表してスリランカの人事協会が大会運営をしました。そこで、参加者は米国に偏ることなく、欧州、アジア、そしてアフリカ地区からも参加者があり、文字通り「世界大会」に相応しい議論が展開されました。

今後マーケットが縮小する日本において我々が国内だけの閉じられた人事論に留まることなく、世界での共通認識へのキャッチアップや各地域での課題の理解を促進するのみならず、日本からも積極的に発信して存在感を世界の中で示していくことができるように、こうした会議の有効活用を国内の実務家に呼び掛けていく役割がJSHRMにはあるのだと再認識しました。

次回はより多くのJSHRM会員、非会員の方々がご参加下さいますよう、アナウンスして参ります。

理事・事務局長 野村 和宏 氏

コロナ禍により、ハイブリッド開催が急遽オンライン開催に変更となりました。当日は新しいアプリを活用して、ライブの動画配信や資料配布、チャットやQAを加えた展開となりました。4回開催されたコンカレントセッションでは、それぞれ10本のセッションが並行して展開され、参加できなかったセッションのプレゼン資料などは、現在も入手可能です。主催となったスリランカでも既にこうしたアプリを活用した学びが実現し、各国のHRMの情報共有が行われていました。

理事 堤 敏弘 氏

去る2021年12月6日から8日にかけて開催されたWorld HR Congressに、仕事の合間を縫って参加してみました。従来は開催国に出向いての参加だったため、まとまった休暇の取得と旅費の捻出という問題がありましたが、Covid-19のおかげでオンライン開催となり、その意味ではずいぶん敷居が低くなったと感じました。

内容としては、人事の主要なトピックスについて、様々な国の専門家が語る講演、あるいは複数人でのパネルの形式でしたが、時節柄、コロナの影響で人事管理や働き方がどう変わったか、それはこの先どうなるのか、といった話が多数見受けられました。基本的には聞く一方なのですが、一つ驚いたのは、チャット機能で参加者の一人(スウェーデンの人でした)から直接「日本って、コロナでリモートは進んだの?それは元に戻ろうとしている?」といった質問を受けて、タジタジとなりながらもやり取りをしたことでしょうか。それも含めて、たくさんの刺激を頂けた貴重な経験となりました。大きな夢としては、いつかこれを日本に誘致し、JSHRMが主催できればなあ、などとも思った次第です。

執行役員 黒澤 敏浩  氏

12月、スリランカのコロンボでハイブリッド開催されたWFPMAのWorld HR Congress(2020年開催予定がコロナ禍で2021年に延期)にオンライン参加しました。2019年から、勤務先(JAC)で出張費を確保して2020年に参加しようと計画しておりましたが、コロナ禍で不急の出張はできず、オンラインでの参加となりました。コロナ改善が前提になりますが、本来は各国参加者が交流し刺激を受けるいい機会ですので、日本でもぜひ開催したいと思いました。