ゲスト:株式会社内田洋行執行役員 知的生産性研究所長 平山 信彦 氏

ゲスト:株式会社内田洋行執行役員 知的生産性研究所長 平山 信彦 氏
千葉大学工学部工業意匠学科卒。内田洋行スペースデザイン室、Interior Architects(米・LA)等を経て現職。2008年~2010年、千葉大学大学院工学研究科にて非常勤講師としてデザインインタラクティブ論を担当。ワークスタイル変革・組織風土改革・知識創造などに関わるコンサルティング・講演・執筆など、多数。


 ダイバーシティの推進が求められている理由のひとつとして、企業が多様化することによりイノベーションの土壌ができることが期待されているからだと思います。

 イノベーションは、日本では「技術革新」と訳され、研究開発部門の話と思われがちです。しかし本来は、経済活動の中で異なるものを新結合させることで、新たな価値を創造することです。課題解決のために、さまざまな部署で日々起こりうる改革こそ、今のビジネスシーンで求められるイノベーションだと言えます。

 イノベーションを起こすには、異なる知識や経験を組み合わせてアイデアを出すことが出発点となります。そのためには、形式知化された情報に瞬時にアクセスできることや、暗黙知を多く持つための豊かな原体験が必要です。また習慣的に形式知と暗黙知を組み合わせ、アイデアの原石をさまざまな部署が独自の視点を出し合って磨き上げることが重要です。つまり、この一連の流れを習慣化しスムーズに行える工夫をすることで、イノベーションが生まれやすい組織に変革できるのです。この点で働き方改革とイノベーションは密接に結びついていると言えます。

 声高に意識改革を叫ぶより、まずは行動を変えてみましょう。議論しやすい環境作りや、徹底的な試行錯誤、仲間とアイデアを共有する「見える化」など、行動を変えることで意識が変わり、やがては組織風土も変わっていきます。日々の行動を少しずつ変えることで、イノベーションに繋がる働き方改革の成功率は格段に上がっていくのです。

引⽤・参考:「 知識創造企業」(1996/野中郁次郎、他著)、「クリエイティブ・オフィス・リポート」
(ニューオフィス推進協議会)

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