JSHRM会員の誌面交流の場として、会員の方から寄せられた自己紹介や日ごろ考えていること、問題・課題意識などをご紹介します。

ゲスト:T.M 氏

 月日が経つのは早いもので入会して5年が経ちました。JSHRMではこれまで様々な研究会(WWN、労働法研究会、フェ二研、れこると、アカプラ研、WLC、人事制度研究会、人が育つ研、リサーチプロジェクト)やカンファレンス事務局、Insight編集委員に参加し、たくさんの会員の方々との交流をとおして、いつも刺激を受けています。コロナ禍でなかなか直接お会い出来ませんが、せっかくこのような機会を頂きましたので自己紹介や近況を述べさせていただきます。

【仕事について】

 現在、プロフェッショナルサービスファームの人事部門でシニアマネジャーとして働いています。具体的な職務内容としては、人事関連規程の制定や管理、行政機関や労務問題への対応についてグループ全体を統括しています。大学卒業後、生命保険会社に入社し6年勤務したのちに、外資系の製造業3社を経験し、現在の会社に勤務して14年目です。人事としてのキャリアは20年以上になり、人材育成以外は幅広く経験していますが、経験量の多さや濃さで言えば採用(新卒、中途、留学生、障碍者)、労務問題への対応が中心となります。

【趣味について】

 家族は妻と二人の娘(大学生と高校生)がいます。趣味は旅行です。コロナ禍の前は、家族で毎週のように関東周辺の観光地に出掛けていました。ときには北陸や関西など遠距離へドライブすることもありました。名所を巡ってから道の駅に立ち寄り、その土地の美味しい食べ物と地酒を買い、日帰り温泉に入って帰る(ときには宿泊)というのが週末のルーティンでした。良く行くお気に入りの場所は国内では房総半島、山梨、伊豆です。車窓から富士山が見えるとテンションが上がります。なかでも、内房で夕日をバックにして東京湾越しに見える富士山がお気に入りです。今までは遠距離でも一人で運転していましたが、最近、長女が運転免許を取得して、運転を分担してくれるのでほっとしています。

【越境学習としてのJSHRM、大学院について】

 石山・伊達(2022)によれば、「越境学習」は、ホームとアウェイを往還する(行き来する)ことによる学びと定義され、往還することで生まれる違和感、葛藤が、学習効果をもたらすとされています。大学院での学びや、社外の勉強会、ボランティアなどが含まれます。

 私の越境学習のきっかけとなったのがJSHRMへの入会でした。勤務社労士の勉強会仲間の出版記念イベントで、共著者の倉重弁護士(JSHRM理事)にお会いして、研究会の案内をもらいました。労働法に強い弁護士がやっている会なので、仕事の役に立つかもしれないと考え、軽い気持ちで参加しました。研究会の内容がとても充実していて学びが多いだけでなく、終了後の懇親会で社外の多様なバックグラウンドの方々とお酒を酌み交わしながら交流するのが刺激的で、様々な研究会に参加するようになりました。また、そこで知り合った仲間とは、研究会以外でも、旅行に行ったり、同年代で集まってイベントをやったりするようになりました。

 JSHRMが自身にとって心地よいサードプレイスとなり、ホーム化していく中で次第に、もっと人事や組織の在り方についてアウエィの場で体系的に学びたいというふうに考えるようになりました。また、JSHRMで研究者の方々にお会いして、実務で関わっている人事や組織に関して様々な研究が行われていることを知り、アカデミックの世界に強い関心を持ちました。そして、2018年4月に法政大学政策創造研究科に入学し、2020年3月まで石山恒貴先生の研究室で学びました。修論のテーマは「副業を持つ目的と効果について」です。副業者26名に対してインタビューを実施し、質的分析を行いました。大学院修了後も、アウェイとしてのアカデミックの世界との接点を維持したかったことから研究生、科目等履修生として大学院に在籍し、学会にも参加しています。実際の業務に活かせているかどうかはわかりませんが、越境学習を楽しんでいます。

 コロナ禍の影響で旅行や友人との交流も控えざるをえないのがとても残念です。コロナが収束して、早く元の生活に戻れば良いなと考えております。

以上

参考文献:石山恒貴・伊達洋駆(2022)『越境学習入門 組織を強くする冒険人材の育て方』日本能率協会マネジメントセンター